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安全性上の懸念などのために臨床試験に参加することができない患者さんの条件を規定する「除外基準」の項目で、"Known abnormalities in XXX."が「XXXにおける既知の異常。」と訳されていました。

knownは「既知の」と訳すとうまくいくことが多いのですが、この場合はどうでしょうか。

除外基準の項目であることを考えれば、AAAに異常がある患者さんが除外の対象になることは推察できると思いますが、「AAAに起こることが知られている異常」のような意味にもとれなくはなく、明確かつ簡潔であるべき除外基準の訳としては、あまりふさわしくないように思えます。

ただ、ウェブ検索をすると「既知の〇〇感染」や「既知の〇〇過敏症」なども実際に使われており、現場ではOKの表現なのかもしれません。以下は、1翻訳者の個人的な意見です。

上記のようなknownは、文脈に応じて「~が確認されている」、「~の既往がある」のようにするとすっきりします。

"Known abnormalities in XXX"なら「XXXの異常が確認された患者」、"Known AAA infection"なら「AAA感染が確認されている患者」、"Known hypersensitivity to BBB"なら「BBBに対する過敏症の既往がある患者」などなど。



蛇足:
除外基準の英語原文は、項目によって"Patients who ..."、"Known ..."、"No history of ..."など、表現に一貫性がないことが多いのですが、和訳する際には、できるだけすべての項目を同じスタイルにするのがいいと思います(「~の患者」に統一する等)。




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治験の同意説明文書の邦訳版で"human safety"が「ヒトにおける安全性」と訳されていました。

「ヒト」は生物分類学上の標準和名で、人間を「動物種」として扱うときに使用する学術用語です。同意説明文書での "human" は一般に、「ヒト」ではなく「人」または「人間」と訳します。

"human safety" は、医薬品の開発や承認申請に関連した通常の文書であれば上記の 「ヒトにおける安全性」 のように訳出しますが、同意説明文書の場合には「人に対する安全性」や「人での安全性」の方が適切だと思います。

また、この同意説明文書の邦訳版では、"this drug"が「本剤」、"treatment group"が「治療群」と訳されていましたが、同じように、 "this drug"は「本剤」ではなく「この薬」、"treatment group"は「治療群」ではなく「治療グループ」などの方がいいと思います。

同意説明文書の読み手は治験に参加するかどうかを考えている患者さんなので、医療の専門家でなくてもわかりやすく違和感を感じることがない用語を選択し、誤解を生じたり複数の意味にとれたりするような表現を避けて丁寧に訳出する必要があります。「治験 同意説明文書」で検索すると、病院や各種機関で作成された同意説明文書のひな形が多数ヒットするので、たくさん読んで自分の好きな同意説明文書の訳し方を見つけておけるといいですね(*^-^*)。







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非臨床試験の報告書には、試験系(被験物質を投与した動物や細胞、微生物など)の情報が明記されます。試験系が動物である場合は、動物種や系統、供給元、性別、体重などの項目に加えて、必ず "age" が示されています。

マウスを用いた試験の報告書で "age" が「年齢」と訳出されていたのですが、寿命2~3年のマウスに対して「年齢」という表現は適切でしょうか。

供試動物の "age" は、マウス、ラット、モルモットなら「週齢」、ウサギ、イヌ、サルなら「月齢」で記述されていることが多く、試験の内容によっては「日齢」や「年齢」の場合もあります。

"age" は「年齢」だけを表すものではないことを心に留めておくとよいと思います。











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医療機器のGLP試験の報告書で"ISO/IEC 17025, 2005, General Requirements for the Competence of Testing and Calibration Laboratories"が「試験及び較正を行う試験所の能力に関する一般要求事項」と訳されていました。

立派に和訳されているのですが、残念なことに調査不足ではないでしょうか。

ISOについては日本規格協会から邦訳版が出版されているので、自由に訳出するのではなく邦訳版のタイトルを使用する方が望ましいと思います。

ISO邦訳版のタイトルは、日本規格協会の検索ページで簡単に調べることができます(一番上の「規格番号」の欄に調べたい規格の番号を入力して、下にある「検索」をクリック)。この検索ページで上記の規格「ISO/IEC 17025」を検索したところ、タイトルは「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」でした。

ISOに限らず、ガイドラインや法律、組織の名称など、一般に受け入れられている既訳や定訳があるかどうかを確認することをお忘れなく(#^.^#)






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ウサギを使って医療機器の皮膚刺激性を調べる試験の試験計画書で、小見出しの"Housing"が「住居」と訳されていました。

シルバニアファミリーのおうちが目に浮かぶようでほっこりしますが(笑)、適切な訳語の選択であるとは思えません。

小見出しが"Housing"である場合、たいていは「飼育ケージ」の材質や形状、寸法などが説明されています。ただし、場合によっては、"housing"が「飼育条件」や「飼育環境」全般を指していることもあるので、文章の内容に応じて適切な訳語を選択する必要があります。

上記の報告書では、個別ケージであることとケージの寸法が説明されていただけだったので、「飼育ケージ」に修正しました。






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Author:Kaho~☆
フリーランス翻訳者
  (獣医・医薬分野/英日)
獣医学修士

自然大好き、全ての命あるものが好き。東南アジア大好き(シンガポール在住歴あり)。動物病院で獣医師として勤務していましたが、2009年からフリーランス翻訳者として活動。

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